ワーママ
2021年08月26日
モンペになる勇気
コロナの流行が比較的少ないと言われたわが地域だが、ここ数週間は変異株が猛威を振るい、感染者数が高止まり状態となっている。
今のところ学校からの案内は無いものの、この状況では昨年のように分散登校か、あるいは夏休み延長になりやしないかと案じているところだ。
そんな中、学校に電話をしようかすまいかと迷いに迷っていることがある。
それは「遊びを自粛するようアナウンスして欲しい」ということ。
もちろん学校の守備範囲外であることは重々承知なのだが・・・。
先ごろステージが1つ上がったにもかかわらず、日中留守の我が家には連日数名の友達がやってきており、正直、気が気でない。
感染者数が過去最多を更新した直後の数日は遊びを禁止したものの、「私以外は皆◎◎ちゃんちに集合してるんだよね・・・」と憂いを帯びた表情で不満を言うわが子。
皆と言ってもセーブさせている家庭はあるはず、と思いたいが、むしろスポ少や習い事が休止となり暇を持て余した子らが加わって、遊びの人数は増えている様子。
「トラちゃんちに行っていい？ダメなら◎◎ちゃんちに集まる予定なんだけど。」とメールが来れば、ダメとは言いづらいわが子の気持ちもよくわかる。
今どきの子はキッズケータイやＬＩＮＥで繋がっているので、"知るが煩悩"なのだ。
アナウンスなんて大層なものじゃなくていい。
一斉メールのついででもいいし、学校だよりの隅っこでも構わない。
ひと言、"友達の家に行くのを控えましょう"と発信しては貰えないものか。
ーそんな電話を学校にかけたら、たちまちモンペかクレーマー認定されるだろうか。
ネットを検索してみると、「友達の家やカラオケ店へは行かないこと」といった案内文を出している小学校が全国には結構ある。
中には中学や高校、教育委員会が発信している地域もあった。
そうは言っても地域によって状況の深刻さは異なるので、うちの学校も見習えとは言いづらい。
仮に学校が遊び禁止令を出したとして、期限はいつまで？そしてどんな状態になったら遊びの制限を緩和するのか？といった悩ましさもある。
「ＸＸちゃん達が決まりを破って遊んでいた！」などと訴える自粛警察が出てくる恐れもあるだろう。
いやもしかすると、共働き家庭が多い地域柄、遊び禁止令により子供が家で孤立したり、仕事に行けなくなる親が出たりすることから、一律に「遊ぶな」とは言えないのかもしれない。（だが我が家のように、犠牲となっている家庭があったお陰で子を放置できていたことを思い知ってもらういい機会とも言える。）
しかしそれ以上に、コロナ以前から抱える実は個人的な悩みを、感染防止という大義名分を利用し学校に言うのはどうなのか、という葛藤が邪魔をして、学校に言いたい言葉を書き留めては消し・・を繰り返している私なのである。
家庭で対処すべき問題なのはわかっている。
だが自力でよその家の価値観（コロナ観？）まではコントロールできないのも事実。
この先授業参観や懇談会が行われるかどうかは怪しく、状況しだいでは再び休校なんてこともあるかもしれない。
ならば今が訴えるチャンスでは？とも思うが、物言う保護者となる決心がなかなかつかないまま、小学生母最後の夏が終わろうとしているのだった。
![子育て罰 「親子に冷たい日本」を変えるには （光文社新書） [ 末冨芳 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/5517/9784334045517_1_3.jpg?_ex=128x128)
子育て罰 「親子に冷たい日本」を変えるには （光文社新書） [ 末冨芳 ]
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今のところ学校からの案内は無いものの、この状況では昨年のように分散登校か、あるいは夏休み延長になりやしないかと案じているところだ。
そんな中、学校に電話をしようかすまいかと迷いに迷っていることがある。
それは「遊びを自粛するようアナウンスして欲しい」ということ。
もちろん学校の守備範囲外であることは重々承知なのだが・・・。
先ごろステージが1つ上がったにもかかわらず、日中留守の我が家には連日数名の友達がやってきており、正直、気が気でない。
感染者数が過去最多を更新した直後の数日は遊びを禁止したものの、「私以外は皆◎◎ちゃんちに集合してるんだよね・・・」と憂いを帯びた表情で不満を言うわが子。
皆と言ってもセーブさせている家庭はあるはず、と思いたいが、むしろスポ少や習い事が休止となり暇を持て余した子らが加わって、遊びの人数は増えている様子。
「トラちゃんちに行っていい？ダメなら◎◎ちゃんちに集まる予定なんだけど。」とメールが来れば、ダメとは言いづらいわが子の気持ちもよくわかる。
今どきの子はキッズケータイやＬＩＮＥで繋がっているので、"知るが煩悩"なのだ。
アナウンスなんて大層なものじゃなくていい。
一斉メールのついででもいいし、学校だよりの隅っこでも構わない。
ひと言、"友達の家に行くのを控えましょう"と発信しては貰えないものか。
ーそんな電話を学校にかけたら、たちまちモンペかクレーマー認定されるだろうか。
ネットを検索してみると、「友達の家やカラオケ店へは行かないこと」といった案内文を出している小学校が全国には結構ある。
中には中学や高校、教育委員会が発信している地域もあった。
そうは言っても地域によって状況の深刻さは異なるので、うちの学校も見習えとは言いづらい。
仮に学校が遊び禁止令を出したとして、期限はいつまで？そしてどんな状態になったら遊びの制限を緩和するのか？といった悩ましさもある。
「ＸＸちゃん達が決まりを破って遊んでいた！」などと訴える自粛警察が出てくる恐れもあるだろう。
いやもしかすると、共働き家庭が多い地域柄、遊び禁止令により子供が家で孤立したり、仕事に行けなくなる親が出たりすることから、一律に「遊ぶな」とは言えないのかもしれない。（だが我が家のように、犠牲となっている家庭があったお陰で子を放置できていたことを思い知ってもらういい機会とも言える。）
しかしそれ以上に、コロナ以前から抱える実は個人的な悩みを、感染防止という大義名分を利用し学校に言うのはどうなのか、という葛藤が邪魔をして、学校に言いたい言葉を書き留めては消し・・を繰り返している私なのである。
家庭で対処すべき問題なのはわかっている。
だが自力でよその家の価値観（コロナ観？）まではコントロールできないのも事実。
この先授業参観や懇談会が行われるかどうかは怪しく、状況しだいでは再び休校なんてこともあるかもしれない。
ならば今が訴えるチャンスでは？とも思うが、物言う保護者となる決心がなかなかつかないまま、小学生母最後の夏が終わろうとしているのだった。
子育て罰 「親子に冷たい日本」を変えるには （光文社新書） [ 末冨芳 ]
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2021年08月16日
うちはネットカフェじゃない
お盆休みだというのに、少々滅入っている。
わが家に入れ替わり立ち替わりやってくるトラちゃんの友達に、とうとうブチ切れてしまったのだ。
世間は既にお盆休みという人も多いある日のこと。
長期休暇前で仕事が詰まっていた私は、残業を終え大急ぎで帰宅した。
玄関に入ると、色々な柔軟剤が混ざった残り香が漂ってくる。
その香りで、友達が大勢来ていたのだなということはすぐにわかった。
キッチンへ行くと、シンクに飲みかけのお茶が残ったコップが幾つも放置してある。
コップだけではない。
お菓子を保管している棚の扉は開け放たれ、ファミリーパックのアイスやお菓子のゴミも散乱している。
その光景を見るやいなや、私はいきり立った。
「これ何！？
いったい今日は何人来ていたの？誰！？
「来てたのはHちゃんとか〇〇ちゃんとか･･･5人だよ。」
先週末からパパもママも長いお盆休みだと自慢していたHちゃんの名に反応した私は、ますますヒートアップしてしまった。
「なんで毎回うちばっかりなの！？
Hちゃんなんて今週は親が家にいるんでしょ？
っていうか、この暑い日に自分のお茶も持って来ずによその家に遊びに来るってどういうこと？
"トラちゃんちに行けばお茶とお菓子があるし"ってこと？？
うちはネットカフェじゃないんだけど！」
トラちゃんに当たり散らすのはお門違いと頭ではわかっていても、口が止まらなかった。
夏休みに限ったことではないが、我が家に入れ替わり立ち替わりやって来る遊びのレギュラーメンバーはゆうに10人はいる。
中には、未だに顔を見たことがない子もいる。
もちろんその親の顔も知らないし、「いつもすみません」などと言って来ることもない。
彼女らの親は、我が家が連日お菓子パーティー＆ゲーム大会の会場と化しているのを知ってて、お茶も持たせず子をよこしているのだろうか。
「お母さん、これまでずっと言わずに我慢していたんだけどさ、トラはいいように利用されてるだけなんじゃないの？
いつも留守で気軽に上がれるから、ネットカフェかゲーセン感覚でうちに集まるだけでさ。
〇〇ちゃんなんてトラが誘ったんじゃなく、Hちゃんのクラスメートでしょ？
自分の友達なんだから、自分ちに呼べばいいんじゃないの？
勝手に自分の友達をうちに断りもなく連れてきて、そんな友達、ホントに友達と言えるの？」
トラちゃんはワーッと泣き出した。
友達とわいわい遊んだ余韻に浸っていたところに、鬼の形相でしかも友達のことを責められたのだから当たり前だ。
泣きじゃくりながらも、お茶を持って来なかったのは2人だけで、それと別に自分のお茶を飲み干してしまった子がいたからついでに全員にお茶を出したこと、途中でHちゃんの家にも行ったからうちばっかりではないのだと弁解した。
そして最後に
「利用されてなんかいない。
お母さん何もわかってないくせに、友達のことを悪く言わないで！！」
と言い放ち自室に駆け込んで行ったのだった。
そんなわけで、わが子に八つ当たりしてしまい自己嫌悪である。
冷静になり振り返ると、あれはこれまで堪えてきた自分の胸の内を知って欲しいという、親のエゴでしかなかった。
よそ様に迷惑をかけるなとかお互い様といった価値観を強く植えつけられて育った私は、その価値観から外れた人々を見るたび不寛容になり、事あるごとに同じ価値観でわが子に教え諭して来た。
それを正義と信じて疑わずここまで来たが、これも実は価値観の押しつけという親のエゴではないか。
その証拠に、私は親から受け継いだその価値観があるばかりに不愉快になり、他人を否定し、忍耐を強いられ生きづらい。
道徳的に生きよと子を導くことが子の幸せどころか足枷となりうる現実を思うとどこか虚しく、やさぐれそうになる母なのである。
![子どもの心を強くする すごい声かけ [ 足立啓美 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/3045/9784074473045_1_2.jpg?_ex=128x128)
子どもの心を強くする すごい声かけ [ 足立啓美 ]
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わが家に入れ替わり立ち替わりやってくるトラちゃんの友達に、とうとうブチ切れてしまったのだ。
世間は既にお盆休みという人も多いある日のこと。
長期休暇前で仕事が詰まっていた私は、残業を終え大急ぎで帰宅した。
玄関に入ると、色々な柔軟剤が混ざった残り香が漂ってくる。
その香りで、友達が大勢来ていたのだなということはすぐにわかった。
キッチンへ行くと、シンクに飲みかけのお茶が残ったコップが幾つも放置してある。
コップだけではない。
お菓子を保管している棚の扉は開け放たれ、ファミリーパックのアイスやお菓子のゴミも散乱している。
その光景を見るやいなや、私はいきり立った。
「これ何！？いったい今日は何人来ていたの？誰！？
「来てたのはHちゃんとか〇〇ちゃんとか･･･5人だよ。」先週末からパパもママも長いお盆休みだと自慢していたHちゃんの名に反応した私は、ますますヒートアップしてしまった。
「なんで毎回うちばっかりなの！？Hちゃんなんて今週は親が家にいるんでしょ？
っていうか、この暑い日に自分のお茶も持って来ずによその家に遊びに来るってどういうこと？
"トラちゃんちに行けばお茶とお菓子があるし"ってこと？？
うちはネットカフェじゃないんだけど！」
トラちゃんに当たり散らすのはお門違いと頭ではわかっていても、口が止まらなかった。
夏休みに限ったことではないが、我が家に入れ替わり立ち替わりやって来る遊びのレギュラーメンバーはゆうに10人はいる。
中には、未だに顔を見たことがない子もいる。
もちろんその親の顔も知らないし、「いつもすみません」などと言って来ることもない。
彼女らの親は、我が家が連日お菓子パーティー＆ゲーム大会の会場と化しているのを知ってて、お茶も持たせず子をよこしているのだろうか。
「お母さん、これまでずっと言わずに我慢していたんだけどさ、トラはいいように利用されてるだけなんじゃないの？いつも留守で気軽に上がれるから、ネットカフェかゲーセン感覚でうちに集まるだけでさ。
〇〇ちゃんなんてトラが誘ったんじゃなく、Hちゃんのクラスメートでしょ？
自分の友達なんだから、自分ちに呼べばいいんじゃないの？
勝手に自分の友達をうちに断りもなく連れてきて、そんな友達、ホントに友達と言えるの？」
トラちゃんはワーッと泣き出した。
友達とわいわい遊んだ余韻に浸っていたところに、鬼の形相でしかも友達のことを責められたのだから当たり前だ。
泣きじゃくりながらも、お茶を持って来なかったのは2人だけで、それと別に自分のお茶を飲み干してしまった子がいたからついでに全員にお茶を出したこと、途中でHちゃんの家にも行ったからうちばっかりではないのだと弁解した。
そして最後に
「利用されてなんかいない。お母さん何もわかってないくせに、友達のことを悪く言わないで！！」
と言い放ち自室に駆け込んで行ったのだった。
そんなわけで、わが子に八つ当たりしてしまい自己嫌悪である。
冷静になり振り返ると、あれはこれまで堪えてきた自分の胸の内を知って欲しいという、親のエゴでしかなかった。
よそ様に迷惑をかけるなとかお互い様といった価値観を強く植えつけられて育った私は、その価値観から外れた人々を見るたび不寛容になり、事あるごとに同じ価値観でわが子に教え諭して来た。
それを正義と信じて疑わずここまで来たが、これも実は価値観の押しつけという親のエゴではないか。
その証拠に、私は親から受け継いだその価値観があるばかりに不愉快になり、他人を否定し、忍耐を強いられ生きづらい。
道徳的に生きよと子を導くことが子の幸せどころか足枷となりうる現実を思うとどこか虚しく、やさぐれそうになる母なのである。
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2021年02月03日
ワンオペできない男達
ワーママを長くやっていると、つくづく男はシングルタスクだなと溜息が出ることがある。
それはわが夫に日々これでもかというほど思い知らされていることなのだが、職場もまた然りなのだ。
たとえばあまり思い出したくないが、かつてのブラック職場で、同僚の奥さんが入院したから残業で彼を支援せよと命ぜられたことがあった。（過去記事はこちら）
当時まだ3歳のトラちゃんを延長保育時間目一杯まで預け、連日残業している私には元々奥さんなんていないのに、それを言うか！？と憤懣やる方ない思いだったが、およそ世の男達なんて、フルタイム勤務のワーママは家に帰れば自分と同じように風呂に入って寝るだけ、ぐらいに思っているのだろう。
もっとも、そんなことがあったおかげであの職場を罪悪感なく見限ることが出来たわけで、結果オーライではあった。
それからあれはコロナ前だったろうか。
職場の男性社員が1ヶ月も遅刻出社していた時期があった。
理由は妻の長期出張により、それまで妻がしていた子の保育園送迎のため。
取得理由を問わない有給休暇内のことなので他人がとやかく言う話ではないが、妻が当たり前に出来ていたことを、夫が勤務時間を削ってやるとは何だかなぁ・・・と思ったものだ。
そしてつい最近まで時短勤務していたのは、こちらも若手男性社員。
若手と言っても既婚者の彼は、第2子妊娠中の妻が切迫早産で入院。
更に出産するまでの3ヶ月間、上の子の保育園送迎と家事のため前後1時間の時短勤務をしていた。
時短勤務は育児支援制度の一つであり、育児をする労働者の権利ゆえ、利用するのは別に構わない。（同僚らは多大な迷惑を被っていたが）
しかし、これがフルタイム勤務のワーママだったらどうだろう。
感染防止のため見舞いも出来ない昨今、夫が入院したからと言って果たして2時間もの時短をするだろうか？
そもそも保育園全入のこちらの地域は、小さな保育園でも朝は7時から夜は19時までと手厚い。
最近は20時まで預かってくれる園も増えている。
妻の働き方によっては8時〜16時までといった契約の家庭もあるが、妻の入院という正当な理由があれば延長保育が利用できるはず。
事実、私もトラちゃんの園時代には夫の入院も長期出張もあったし、同僚の中には夫が単身赴任中という人もいたけれど、女性社員は皆、家事も育児もワンオペが当たり前という認識だった。
ワーママが当たり前にやるワンオペを、なぜ男はできないのか？
そしてこの社会は、男にできないそれをなぜ女ならやって当然という風潮なのか！？
もっとも、若手男性社員についてはシングルタスク云々というより、ただのジェネレーションギャップのような気も。
つまり、"職場にかける迷惑は最小限に"と考える昭和気質の老ママ（私）と、"制度を利用しているだけですが何か？"というコスパ世代の差、とでも言おうか。
家庭でも職場でも、頑張りを褒めてくれる人も背中を見習ってくれる人もいない老ママは、今さらその生き方を変えられるはずもなく、憂国の情を抱えつつ今日も社畜となり働くしかないのだった。
![やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ [ 尾石晴（ワーママはる） ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/9542/9784408339542.jpg?_ex=128x128)
やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ [ 尾石晴（ワーママはる） ]
それはわが夫に日々これでもかというほど思い知らされていることなのだが、職場もまた然りなのだ。
たとえばあまり思い出したくないが、かつてのブラック職場で、同僚の奥さんが入院したから残業で彼を支援せよと命ぜられたことがあった。（過去記事はこちら）
当時まだ3歳のトラちゃんを延長保育時間目一杯まで預け、連日残業している私には元々奥さんなんていないのに、それを言うか！？と憤懣やる方ない思いだったが、およそ世の男達なんて、フルタイム勤務のワーママは家に帰れば自分と同じように風呂に入って寝るだけ、ぐらいに思っているのだろう。
もっとも、そんなことがあったおかげであの職場を罪悪感なく見限ることが出来たわけで、結果オーライではあった。
それからあれはコロナ前だったろうか。
職場の男性社員が1ヶ月も遅刻出社していた時期があった。
理由は妻の長期出張により、それまで妻がしていた子の保育園送迎のため。
取得理由を問わない有給休暇内のことなので他人がとやかく言う話ではないが、妻が当たり前に出来ていたことを、夫が勤務時間を削ってやるとは何だかなぁ・・・と思ったものだ。
そしてつい最近まで時短勤務していたのは、こちらも若手男性社員。
若手と言っても既婚者の彼は、第2子妊娠中の妻が切迫早産で入院。
更に出産するまでの3ヶ月間、上の子の保育園送迎と家事のため前後1時間の時短勤務をしていた。
時短勤務は育児支援制度の一つであり、育児をする労働者の権利ゆえ、利用するのは別に構わない。（同僚らは多大な迷惑を被っていたが）
しかし、これがフルタイム勤務のワーママだったらどうだろう。
感染防止のため見舞いも出来ない昨今、夫が入院したからと言って果たして2時間もの時短をするだろうか？
そもそも保育園全入のこちらの地域は、小さな保育園でも朝は7時から夜は19時までと手厚い。
最近は20時まで預かってくれる園も増えている。
妻の働き方によっては8時〜16時までといった契約の家庭もあるが、妻の入院という正当な理由があれば延長保育が利用できるはず。
事実、私もトラちゃんの園時代には夫の入院も長期出張もあったし、同僚の中には夫が単身赴任中という人もいたけれど、女性社員は皆、家事も育児もワンオペが当たり前という認識だった。
ワーママが当たり前にやるワンオペを、なぜ男はできないのか？
そしてこの社会は、男にできないそれをなぜ女ならやって当然という風潮なのか！？
もっとも、若手男性社員についてはシングルタスク云々というより、ただのジェネレーションギャップのような気も。
つまり、"職場にかける迷惑は最小限に"と考える昭和気質の老ママ（私）と、"制度を利用しているだけですが何か？"というコスパ世代の差、とでも言おうか。
家庭でも職場でも、頑張りを褒めてくれる人も背中を見習ってくれる人もいない老ママは、今さらその生き方を変えられるはずもなく、憂国の情を抱えつつ今日も社畜となり働くしかないのだった。
やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ [ 尾石晴（ワーママはる） ]
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